台湾家族、襲来!~①旅の計画編~
秋も深まる11月、台湾人夫の家族が襲来した。
大きなスーツケースを持って関西国際空港へ降り立ったのは、
夫の祖母(80代)とその娘、つまり夫の叔母(50代)である。
わたしは結婚前に台湾の家族には何度か会っているが、この叔母さんとは一度軽く挨拶しただけで、
お互い名前も知らないような関係だった。
祖母については、夫がとにかくおばあちゃんっ子なのでこれまで何度も対面してきたが、
会話はほとんどなかった。
というのも、台湾の田舎出身の祖母は、中国語が話せず、日常会話は台湾語のみ。
さらにここ数年で軽い認知症を発症し、すこし意識が混乱してしまうこともあり、
外国人のわたしとの意思疎通は限りなく不可能に近い状態なのだ。
そんな二人が今回なぜ日本にやってきたかというと、目的は二つだ。
ひとつは高齢のおばあちゃんにおそらく最初で最後となる日本旅行をプレゼントしたい、という目的
そしてもうひとつは、日本の美しい紅葉を見たい、という目的。
ちなみに叔母にとってもこれが初めての日本旅行である。
この旅行について、初めから終わりまで非常に台湾的だなあと思うようなエピソードが多数あったので、
数回に分けて記録していきたいと思う。
今回は旅の計画編である。
旅の企画者である叔母は夫にこう言った。
「私たちの満足するようなプランを考えて、見積もりを出してちょうだい。」
夫は昔からこのわがままプリンセス気質の叔母が嫌いであったが、
大好きなおばあちゃんのためだと自分に言い聞かせて、1週間の旅の計画と予算の見積もりを出した。
夫が頑張って作成した、まるで旅行会社が作るような詳細な行程表を見てわたしはちょっと感動した。
自由人の夫が何よりも嫌いなのが細かいプランを計画することで、
旅行の時はいつもギリギリまで予定を決めないタイプなのに、家族の為ならこんなに頑張れるのかとびっくりしたのである。
だが、それを見た叔母は感謝するどころか「宿が高すぎ!もう一回練り直しといてー」と却下した。
紅葉の時期の京都の宿がどれほど値段が張るのか、日本の温泉旅館が一泊どれくらいの価格帯なのか、
叔母は全く知らなかったし、自分で調べようともしなかった。
若干イライラしながら我々は再度プランを立て直した。
紅葉の時期の土日、コロナ渦が明けインバウンド復活の影響でホテルの値段は通常の数倍値上がりしており、
さらに叔母が旅行を申し出たのが遅かったため、すでに空室も限られた状況だった。
関西に来るなら京都は外せないだろう。ならせめて京都市内で、多少アクセスは悪くとも安いホテルを探そう。
温泉は当初定番の有馬温泉や城崎温泉で考えていたが、予算の関係上、場所を見直し、三重県南部の勝浦温泉にすることにした。
こうして何度かの調整ののち、叔母のGOサインが出て、ホテルやレンタカーの予約を完了することができた。
全て計画や予約をしたことに関して、特に感謝されなかったのはわたしにとっては驚くべきことであったが、
これまで台湾人とかかわってきて、彼らの家族・親族関係が日本人のそれよりも遥かに強い結びつきがあることは理解していたつもりなので、まあそんなもんか‥とその時は思っていた。その時は。
いろいろ思うところはあれど、二人とも日本が初めてなんだから楽しんでもらえるように頑張ろう!というポジティブな気持ちが、まさか旅行初日に崩れるとは知らずに・・・
二人が日本へ来るまで、あと二週間。
突然仕事を辞める夫
数日前仕事から帰ってきた夫とくだらない話をしていたら、突然「あ、ひとつ報告があります!」と言われた。
「今日社長と面談して喧嘩して、来週で仕事辞めるわ!」と。
寝耳に水である。
夫は3ヶ月前から今の会社に勤めていて、社長は若い中国人。就業時間を過ぎても仕事をすることを求められ、夜中にお客さん対応のため外出なんてこともざらにあった。
もちろん休日手当、残業代なんか全くない。
そんな中でも責任感の強い夫は仕事に励み、お客さんからそのサービス精神を評価され、上手くやっていたのだが、社長には全く伝わっておらず。
面談の中で喧嘩になり、じゃあ退職してやる!となったわけだ。
突然のことに驚きはあるが、仕事を急に辞めてくるのは一度や二度ではないので慣れたものだ。
そして自分自身も突発的になにか大きな決断をし、家族にも事後報告するタイプなので、今回のこともまあしょうがないよね〜と思っている。
楽観的で無計画な夫婦である。
しかし台湾人あるあるなのか、日本人よりは簡単に仕事を辞めるし、上司や社長にも物怖じせず自分の意見をビシッと伝える姿勢は見習うべきものがあるかもしれない。
数年前にTwitterでこんな文言に出会った。
「日本では個人が心の中で思ったことの6割を実際に言うことができる。
アメリカでは思ったことの8割を言うことができる。
台湾では思ったことの9割を言うことができる。」
そう、台湾はあのアメリカよりもフリーダムに自己主張できる雰囲気がある。
常に空気を読み、和を乱すことを恐れるあまりストレスを溜めてしまう日本人は、少し台湾人から学ぶべきことがあるのかもしれないと考える今日この頃である。
結婚と男女の友情
わたしは生来嫉妬深い性格だ。
といはいえ、関わる人全員に対して嫉妬心や束縛心を持つわけではないし、
過去に付き合った人たちの中で、全くそういった感情を持たなかった人もいた。
どういう基準かは自分でもわからないが、ある一定のラインを超えて大切な存在になった人に対しては
一種の独占欲というか、絶対に裏切らないで欲しい、という重い愛情を持ってしまい、自分自身苦しむことになる。
台湾人の夫と付き合ってしばらくして、このどす黒い感情に支配され、大変な争いの時期が長い間続いた。
台湾というと、親日国で、日本が昔統治していた時代もあるため日本とあまり文化が変わらないのでは?と思う人が多いと思う。
確かに欧米やアフリカ諸国の人と付き合うよりは台湾人との付き合いのほうが楽なのかもしれない。
しかし、日本と台湾には特に人間関係において大きな文化の違いがある。
日本は人間関係に順位をつける国だと思う。
例えば恋人ができたら恋人が1番優先、とか
結婚したら配偶者が1番とか。
なにをどういう順位で大事にするかは人によるにせよ、無意識のうちにしっかり順位をつけることによって時間やお金の使い方に対し明確に差をつけることは普通ではないか。
台湾はその点、あまり順位をつけない。
恋人ができればもちろん大切にはするだろう。
しかしそれを第一優先することで例えば他の異性の友だちとの距離を取るとか、彼氏彼女に遠慮して連絡を控えるとか、そういった気遣いがあまりない。
そしてこれは結婚後も同じで。
夫は結婚しても女友達との距離感は全く変わらず、用があれば平気で二人きりで会うだろうし、
それをわざわざ妻に報告して許可を取るという発想がない。なぜなら、結婚したとしても自分の人生は自分だけのものという意識が強いからだ。
自分のような嫉妬心の強い人間にとっては非常にストレスの溜まる相手である。
「わたしって女友達と同じレベルなの?なんで最優先してくれないの?」
という激重嫉妬深さ200%のセリフを人生で初めて言ってみたりした。
喧嘩が絶えず別れの危機になったことも何度もある。
それが、最近になって少し彼の価値観を理解し、むしろ順位をつけない人間関係が楽だと思うようになってきた。
少し前に仕事で嫌なことがあり、久々に気分転換に少し遠出しようとなった。
ゲストハウスに一泊しようと思い立ち、その近くに住む友人にも会おうと、荷物をまとめて弾丸ひとり旅を決行した。
久しぶりのゲストハウス宿泊は刺激的だった。
仕事を辞め車で日本一周中の女子や、イスラエルからの旅人との出会いがあり、飲みながら色々な話をした。
また、友人は10歳以上年上の男性で、子育て真っ最中の中、二人で話す時間を作ってくれた。
数年ぶりの再会だったのだが開口一番言われたのは、
「話したいこといっぱいあったけど、結婚したって聞いてから旦那さんに悪いから連絡できなかったんだよ〜久々に会えてよかった!」
という言葉だった。
夫の台湾人の友人たちにはないその気遣いにありがたいなと思いつつも、寂しいなという感情が一番だった。
その時初めて考えたのだ。
付き合ったから、結婚したからといって異性の友人を遠ざける必要なんてあるのか?
浮気する奴はどんな状況でも浮気する。
逆にいうと自分をしっかり持っていれば異性の友人だろうが今まで通り自分らしく堂々と付き合えばいいじゃん!
男女の友情が成立するかなんて、自分の意思の固さ次第!
人間関係に順位をつけるんじゃなく、大切ならすべて今まで通り維持できたらもっと人生が豊かになるんじゃないだろうか。
そしてもう一つ、夫が束縛しない性格だから今回わたしは夫なしで突発的なひとり旅に出ることができ、刺激的な出会いに恵まれた。
もし、結婚したらそういうのはダメだよね。という普通の価値観の中で暮らしていたら、この旅でリフレッシュすることができなかった。
そんな人生楽しいのか…?
さらに気づいたことがある。
信頼して自由にさせてくれるパートナーがいる。
それを考えたら逆に変なことをしようという気が失せるのだ。
自由にさせてもらった結果、その信頼を裏切って浮気するほどダサいことがあるだろうか。
彼氏といえど配偶者といえど、他人は他人。
信頼し自由を尊重して豊かな人生を送りたい!と思う日々である。
突然の再開
数年間放置していたブログの存在を急に思い出し
少しタイトルなど変えて再び始めることにした。
昨年、3年半交際して、その半分近くを国を跨いでの遠距離恋愛に費やした
台湾人のパートナーと結婚した。
プロポーズなどはない。
わたし自身訳ありなので、かなり特殊な形の結婚となってしまったが、それはまたいつか書きたいと思う。
結婚する前から同棲していたので、既婚者になったからといって何か生活に変化があったわけではない。
彼はとても自由を重んじる性格で、また台湾人の気質もあり、束縛を何よりも嫌がるので
わたしは彼の友達付き合いや家族との関わりに口を出すことはほとんどしなくなった。
最初こそ、なぜ妻である自分を第一優先してくれないのか!と不満をもっていたが、
最近はその自由な関係に少し居心地の良さを感じている。
つまり、わたし自身も結婚したからといって、異性の友だちとの関係を遠ざける必要もなく、
ひとり旅に出たいと思えば好きにすることができ、
とてつもなく自由なのだ。
彼と暮らしていると色々な刺激がある。
東京にいたとき、わたしの周りは同じく東京出身のキラキラ女子たちや、
真面目な職場の同期や先輩たちばかりで
価値観の大きな相違はないので楽に付き合えるものの、少し物足りなさを感じていた。
しかしいま、大阪で生活する中で関わる人たちは
国際結婚した先輩夫婦、ワーホリで来ている台湾人、起業しようと頑張っている中国人、とにかく日本人と結婚して永住権が欲しい香港人など……
そう、気がつけば生粋の大阪人よりも多くの外国人に囲まれ、多様性の中で日々笑ったりイラついたりしながら毎日を送っている。
刺激が強いというのは時に強烈なストレスにもなるのは言うまでもないが、
それでも平凡な毎日の中に少しの刺激は必須であると思っている。
この刺激的な日々を忘れないように、この場所に書き残していきたい。
大阪、中国人多すぎ問題。
東京から大阪に移住してもうすぐ5か月になります。
23年間東京で過ごしたわたしがいきなり大阪に移住して、
この5か月で感じたことについて書きたいと思います。
そもそも大阪はわたしにとって全く馴染みのない土地ではありません。
親が大阪出身で、年の近いいとこや祖父母も住んでいるため、小さいころから年に1・2回は訪れていました。
ところがある時を境に訪れる機会はなくなり、旅行で大阪に行くこともなく・・
思えば小さいころから大阪に来ても親戚と会う、あるいはUSJで遊ぶくらいのことしかしてこなかったので、
今回の移住で初めて心斎橋や難波といった中心地を歩いて、素の大阪を知ることになったので新しい発見がたくさんあります。
その中でも一番の衝撃だった、大阪、中国人多すぎ問題について書きたいと思います。
まず大阪に来て驚いたこと。ここは中国か??という程の中国人比率。
心斎橋~難波間は冗談抜きで日本人より中国人の方が多い。
歩いていて聞こえてくる会話は中国語。
軒を連ねる薬局で呼び込みをしているのはほぼ中国人。
呼び込みも「いらっしゃいませー」ではありません。
「欢迎 欢迎~!」。
東京でも銀座なんかはリッチな爆買い中国人がたくさんいますが、ここまでの人口密度ではないです。
なぜこんなに中国人観光客が多いのか?
〇地理的要因
現在訪日外国人の75%が東アジア・東南アジアからの観光客だというデータがあります。
つまり彼らにとっては成田空港より関西国際空港の方が距離的に近く、値段も安く単純に旅行しやすい。
さらに関西は主要な観光地がギュッと固まっていて限られた時間でもいろんな場所を観光することができます。
現在大阪市内に住んでいますが、神戸、奈良、京都それぞれ1時間で行けるというのは関東出身者からするとすごいことです!
東京に住んでいるとき、都会の喧騒から離れて癒されるためによく鎌倉に行っていましたが、1時間半かかりました。
箱根とか日光となるとその倍以上時間がかかります。日帰りで行くには少しきついかも。
その点関西のギュッと感は旅行者にはすごくありがたいのです。
関空のある大阪でホテルを取って、日帰りで京都や奈良に行くのも楽ですよね。
これがアジア、特に中国人観光客が大阪に密集する地理的な要因かと思うのですが、それだけじゃないと思っています。
〇大阪人の気質による要因
実は大阪に来てから、いまだに大阪人の友だちがほとんどできないわたし・・・
その反面(?)中国人の友だちが何人かできて、たまに遊んだりしています。皆、旅行者ではなくワーホリや留学、就職などで大阪に住んでいる中国人です。
彼らが口を揃えて言うのは、「大阪人、中国人とよく似ている」ということ。
なんでも、人との距離感が中国人同士と近いものがあるため、暮らしやすいのだとか。
確かに東京人と大阪人の一番の違いって、人との距離感だと思います。
何度か仕事の都合上朝の5時ごろにタクシーに乗ったときに遭遇した、運転手さんの早朝とは思えないテンションの弾丸トーク。
こじんまりとした飲食店にてひとりカウンターで食べていると自然に話しかけてくるコミュ力の高さ。
「それいくらで買った?」「お給料どのくらいもらってるの?」という東京人には禁断の質問をナチュラルにしてくる感じ。
この給料いくら?って質問は中国人同士でも普通によくある会話らしいです。適当に答えればいいんだよと教えてくれました。
この少々お節介ともいえる人との距離感の近さとか、初対面でもガンガン話しかけてくるフレンドリーさが中国に近くて居心地が良いらしいです。
あとは個人的に、声がデカいのも似ているなーとおもいます・・・
中国人にとって、大阪は単に旅行先として人気なだけでなく住む場所としても人気ということだと思います。
もちろん、日本で文化の最先端が集結しているのは間違いなく東京。大阪出身の芸能人も有名なユーチューバーも、故郷を離れ東京に在住しているのも悲しいけど事実です。
それでも大阪が東京に次ぐ単なる地方都市だとは思わないです。
実際にここに住んで、仕事をしていると、同じ日本でも明らかに違う文化が存在しているとわかるし、いい意味でローカル感が残っているのも魅力だなあと思います。
そしてそれがお隣の中国と少し似ていてうまく共存しているのが面白いと思うのです。
大阪にあと数年は暮らすつもりので、もっと深く知りたいなーと思う今日この頃です。
『自分の中に毒を持て』岡本太郎
最近かなり不調です。
不調といっても特別なにか大きな問題が起こったとかではないんですが、人間関係だったり仕事だったり
とにかくものすごい停滞感を感じていて焦って焦って、逆に何も手につかない状態・・・
そこでいろいろとこの状態から抜け出すにはどうすればいいかと、新しい楽器を始めてみたり、日中の言語交換イベントにいきなり顔出してみたりしてみたんですが。
新しいことで気を紛らわすのもいいけど、昔から好きだったこと、だけど最近できていないことを再開させてみようじゃないかと思ったんですね。
それで、思い出したんです。
空き時間のほとんどすべてを読書に捧げていた中高生時代を・・・
あの頃まさに本の虫で、一週間5冊は読んでいたしお小遣いの大半は古本屋に貢いで消えていました。
単純に本が大好きだったんですね。と同時に最大のストレス発散法だったんです。
それが全くと言っていいほど読まなくなってしまってこれはいけないということで、
これから一週間に何冊と課題図書を自分で決めて、ちゃんと読み切り、
さらに、ブログという形で残すところまでをやっていこうと思います。
長くなりましたが、その第一冊目になるのが
岡本太郎著 『自分の中に毒を持て』
もうこれ、高校生の時から何度も読んでいますが、
今回約2年ぶりに読み返しました。
岡本太郎といえば、日本を代表する芸術家であると同時に、思想家、文筆家でもあります。
わたしが岡本太郎に初めて出会ったのは小学4年生のころ。学校の図工室でたまたま彼の作品をみたことがきっかけとなり、以来ずっとファンです。
つい先日も万博記念公園にて太陽の塔内部観覧に行ってきて感動し・・・それはまた写真とともに記録しようかと思いますが。
本題に戻って、『自分の中に毒を持て』
これはひとことで言って、人間・岡本太郎の人生観がすべて詰まっている!そんな作品。
「人間は自分をきつい条件のなかに追い込んだときに、初めて意思の強弱が出てくる。」
「自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それしかないんだ。」
↑こんな感じの太郎の力強い言葉の数々が綴られています。
人生論とか生き方についてのいわゆる自己啓発的な内容が主ですが、恋愛についての持論も結構書かれています。
太郎は結婚せずにその生涯を終えましたが、日本でも留学先のパリでもいろいろな女性との恋愛関係があったようです。
パリの女性は自立していてプライドが高いが日本の女性は・・・というような若干時代を感じさせる内容もあるのですが、この本の恋愛に関する章を読めば、彼がなぜ結婚という選択を選ばなかったのかわかります。
タイトル『自分の中に毒を持て』の意味は?
今の自分に満足するな。ってことですね。
太郎流にいうならば自分自身を蹴っ飛ばせってことです。
生きている中で100パーセント満足している状態になることって残念ながらないと思うのです。
そのときそのときで最善の選択をして、そのために努力して、大学に入ったり就職したりすると思います。
恋愛の相手も、そのときは最高な相手だと思って付き合う(ことが多い)はず。
でもあとあと後悔しなかったことなんてないです。
なんであのときあんな選択しちゃったんだろうって、後悔ばかりで。
自分の24年間という浅い人生経験の中でも数えきれないくらいそんな場面があって・・・
例えば、大学なんでここを選んじゃったんだろう?
なんであの人じゃなくこの人と付き合ってしまったんだろう?
なんで公務員になってしまったんだろう?
他にも小さなエピソードなら数え切れないほどあります。
そんな後悔にさいなまれたときに、開き直ることもできます。
まーしょうがないもん、この場所で生きていこう。とか、
別れるのめんどくさいしもう少し今の相手で妥協しよう。とか。
でもそこで「安全な道」を選んで動くことを諦めたら、人間的な成長はないし、自分らしい人生なんて望めない。
だから、常に「自分の中に毒を持て」。
今の自分を殺して、生まれ変わるくらいのエネルギーと
常に自分を甘えさせない、安易な生き方をさせない強さを持つ。
毒は他人に向けるのではなく、最大の敵であるダメな自分に向けていつでもギリギリな状態でいるものだ。
そういうメッセージが込められていると、わたしは受け取りました。
この本は人生行き詰ってる人に特に読んでもらいたいです。分厚い本ではないけれど、読めば必ず心に響くフレーズがあると思います。
読む人によっていろんな解釈があると思いますし、
読むタイミングによっても響くフレーズが違ったりすると思います。
ということで、この記事の最後に
今の芋子的に一番響いた言葉を引用して閉めたいと思います。
「ぼくはこういう制約の多いところでこそ自分のしたいことをするのが本当の行動になると思う。むしろ社会や周囲の全部が否定的であればあるほど行動を起こす。
ただし、言っておくが、それが中地半端だといけない。中途半端だと不明瞭になる。それをとことんまで明朗に、自分をごまかさずにやれば、案外通るものなのだ。」
人生を狂わされる趣味 それがゲストハウス
旅行ってすごくありがちな趣味の一つだと思うのですが、
ひとり旅が趣味っていうと、
え?寂しくないの・・・
とか
友だちがいないのかな・・・
など、否定的な反応が返ってくることが多いです。
さらに、ゲストハウスに泊まることに対しては、
危ないとか、貧乏旅行とか、
言われることも多いです。
インバウンドが拡大して、全国的にゲストハウスが急激に増えている中でも、やはり大多数の人は利用することがないようで、イメージが浮かばないのかなと思います。
わたしは、19歳で初めてゲストハウスを体験しました。場所は、マレーシアのクアラルンプールです。
本当に偶然泊まったゲストハウスでしたがその経験がきっかけとなって、以降、観光や食事がメインではなく、「泊まりたいゲストハウスがあるからその土地を訪れる」というスタイルの旅行をするようになりました。
これは自分の人生の中ですごく大きな転機だったと思います。
というのも、それまで狭い世界で生きてきた自分が、年齢、国籍関係なく様々な旅人と交流することで、大げさでなく人生観と性格が変わったからです。
大学2年の春休みに訪れたカンボジアのゲストハウスで、公務員受験を決意し、
無事合格したあとに行った仙台のゲストハウスである旅人に台南(台湾)に行くよう勧められ、
公務員1年目の夏に、小豆島で出会った脱サラ田舎暮らしお姉さんの言葉で転職を意識しだし、
その年の年末、仙台で昔おすすめされたなあとふと思い出しふらっと泊まった台湾のゲストハウスで出会った台湾人と遠距離恋愛をすることになり、
今年6月、転職と移住の最終決定をしようと訪れた大阪のゲストハウスでオーナーに背中を押され、引っ越しのエリア決めまで手伝ってもらい、公務員退職を決めた。
他にも数えきれないほどエピソードはあるのですが代表的なものを挙げてみました。
何がそんなに魅力かって、とにかくその場所に集まる人が面白いし魅力的なんです。
ゲストハウスには普通の会社員から、大学生、フリーランス、意外と多い公務員、職業不詳、得体のしれない人、リアルちょんまげを結ってるお兄さんなど・・・ありとあらゆる生き方をしている人が集まってくるので刺激的です。
一見バラバラで価値観が合わなそうな人でも意外と仲良くなれるのは、皆好きなものをひとつ共有しているからです。
それはもちろん、ひとり旅かつゲストハウスが好き。という共通点です。
わたしはここ数年、旅行先を決める前に、まず泊まる宿を決めます。旅行ガイドを見るのではなく、ひたすらBooking.comやAgodaを利用してリサーチ。
この2つのサイトは、永遠に見ていられます。ひどいときは夜通し見ていたため大学の試験を受けられず、あやうく留年の危機なんてこともありました。
秋の京都に行きたいなーとか、韓国料理食べたいから韓国に行こうとか、もうそういう視点で旅行することが困難になってしまいました。
実はカンボジアに行き先を決めたのも、アンコールワットがどうのこうのという理由ではなく、
ツイッターでたまたま見かけた日本人経営のゲストハウスが生ビール0.5ドルで提供しているというのを知ってなんか面白そう行ってみたい、となったからです。
ひとり旅を趣味とする人の中には、だれにも邪魔されず、本当に一人だけで旅行を楽しみたいひとと、
観光というより旅先でいろんな人と交流したいひとがいます。
ゲストハウスに集まってくるのは後者ですね。
でもだからといってみんなコミュ力が高いとか出会い求めているとかチャラいとかはないです。(まあごくたまに残念な人はいますが・・・)
現にわたしのような根暗でどちらかといえば人見知りなひとでも楽しめる場所なので。
結構シャイな旅人さんも多いと感じます。
だいたい国内のゲストハウスは1泊3000~4000円くらいで泊まれることが多いです。
1回の飲み代くらいですよね。それで普段生活していたら絶対出会えないような人たちと出会えて、もしかしたら一生の友だちが作れるかもしれないし、自分の人生が変わるようなきっかけになるかもしれないと考えたら、
すごく有意義なお金の使い道だと思います。
さらに交流だけが魅力ではありません。ゲストハウスというとバックパッカー用の安宿というイメージが強く、汚い場所をイメージする人もいるのですが、
そんなことはなく。むしろ、オーナーや個性豊かなスタッフのせいか内装が凝っていたり、おしゃれだったり、空間としても居心地が良いです。
だから、これからも隙を見つけては新たなゲストハウスを開拓したいし、この面白さを発信できたらなあと思います。
ということで今回は1番の趣味について書いてみました。
今まで訪れた国内外のゲストハウスを記録としてこれから書いていきたいと思います!