無目的人生

常に人生さまよっているアラサー。自由人で超ポジティブな台湾人夫がいます。

台湾家族、襲来!~①旅の計画編~

秋も深まる11月、台湾人夫の家族が襲来した。

大きなスーツケースを持って関西国際空港へ降り立ったのは、
夫の祖母(80代)とその娘、つまり夫の叔母(50代)である。

わたしは結婚前に台湾の家族には何度か会っているが、この叔母さんとは一度軽く挨拶しただけで、
お互い名前も知らないような関係だった。


祖母については、夫がとにかくおばあちゃんっ子なのでこれまで何度も対面してきたが、
会話はほとんどなかった。
というのも、台湾の田舎出身の祖母は、中国語が話せず、日常会話は台湾語のみ。
さらにここ数年で軽い認知症を発症し、すこし意識が混乱してしまうこともあり、
外国人のわたしとの意思疎通は限りなく不可能に近い状態なのだ。


そんな二人が今回なぜ日本にやってきたかというと、目的は二つだ。
ひとつは高齢のおばあちゃんにおそらく最初で最後となる日本旅行をプレゼントしたい、という目的
そしてもうひとつは、日本の美しい紅葉を見たい、という目的。
ちなみに叔母にとってもこれが初めての日本旅行である。

この旅行について、初めから終わりまで非常に台湾的だなあと思うようなエピソードが多数あったので、
数回に分けて記録していきたいと思う。
今回は旅の計画編である。


旅の企画者である叔母は夫にこう言った。
「私たちの満足するようなプランを考えて、見積もりを出してちょうだい。」
夫は昔からこのわがままプリンセス気質の叔母が嫌いであったが、
大好きなおばあちゃんのためだと自分に言い聞かせて、1週間の旅の計画と予算の見積もりを出した。


夫が頑張って作成した、まるで旅行会社が作るような詳細な行程表を見てわたしはちょっと感動した。
自由人の夫が何よりも嫌いなのが細かいプランを計画することで、
旅行の時はいつもギリギリまで予定を決めないタイプなのに、家族の為ならこんなに頑張れるのかとびっくりしたのである。

だが、それを見た叔母は感謝するどころか「宿が高すぎ!もう一回練り直しといてー」と却下した。
紅葉の時期の京都の宿がどれほど値段が張るのか、日本の温泉旅館が一泊どれくらいの価格帯なのか、
叔母は全く知らなかったし、自分で調べようともしなかった。

若干イライラしながら我々は再度プランを立て直した。
紅葉の時期の土日、コロナ渦が明けインバウンド復活の影響でホテルの値段は通常の数倍値上がりしており、
さらに叔母が旅行を申し出たのが遅かったため、すでに空室も限られた状況だった。

関西に来るなら京都は外せないだろう。ならせめて京都市内で、多少アクセスは悪くとも安いホテルを探そう。
温泉は当初定番の有馬温泉城崎温泉で考えていたが、予算の関係上、場所を見直し、三重県南部の勝浦温泉にすることにした。

こうして何度かの調整ののち、叔母のGOサインが出て、ホテルやレンタカーの予約を完了することができた。


全て計画や予約をしたことに関して、特に感謝されなかったのはわたしにとっては驚くべきことであったが、
これまで台湾人とかかわってきて、彼らの家族・親族関係が日本人のそれよりも遥かに強い結びつきがあることは理解していたつもりなので、まあそんなもんか‥とその時は思っていた。その時は。

いろいろ思うところはあれど、二人とも日本が初めてなんだから楽しんでもらえるように頑張ろう!というポジティブな気持ちが、まさか旅行初日に崩れるとは知らずに・・・

二人が日本へ来るまで、あと二週間。