無目的人生

常に人生さまよっているアラサー。自由人で超ポジティブな台湾人夫がいます。

頑張りすぎてバカを見た話

新卒で第一志望の市役所に入庁し、期待を持って入庁式に臨んだ。

席次はそれなりにいい方だったから、もしかして希望の部署に入れるんじゃないかと思った。また、
入庁前に提出した希望部署についての用紙には、面接カードくらいの分量を書かされたので、人事もできるだけ希望に沿った配置をしてくれるはずだ、と世間知らずの自分は期待していた。


そして、入庁式当日。一人ひとり辞令が渡される。
わたしの配属先は……

希望部署にはかすりもしない、受験生の間でも有名な、激務部署だった。

うわーーーーー

それしか感想がなかった。幸い大所帯の部署ということで、同期も多かったから、皆で不安を共有できたことで少しだけ気が楽になった。


「公務員の配属ガチャ」とはよく言ったもので、本当に配属によってその後の人生が天と地ほど変わってくる。
そして、入庁前の希望通り、あるい希望に近い部署に配属されることはほぼほぼない。
第1〜3希望まで、きっちりと希望を理由付きで書かせるのにもかかわらず。

むしろ、希望の部署を外して配属を決めているという話もよく聞くし、実際先輩の異動先を見ていても、希望調査に書いたことを全く無視しているとしか思えない人事である。

行きたい部署に配属された方が皆一生懸命仕事をすると思うのに、本当によくわからない話だ。




とにかく、わたしは全く予想もしていなかった激務部署に入ることになった。
入庁して1ヶ月も経つと、新人にも担当が振り分けられた。期限付きでいついつまでにこれを全部終わらせてくださいと言われ、マニュアルを渡され、終了。

ペアの先輩によっては手取り足取り教えてくれ、さらに電話に出ている時も隣でずっと聞き耳を立ててくれて瞬時にアドバイスくれたりと、手厚い指導を受けている同期もいた。
わたしのペアの先輩は完全に放置。自分の仕事を終わらせ早く帰ることだけを考えていたので、こちらからアクションを起こさなければ基本何も教えてくれなかった。
一度、どうしても一人でやるには難しい案件があって相談したところ、マニュアルを見て頑張れ!と突き放され絶望したのでそれがトラウマになって質問しづらくなってしまった…



しかしそのおかげか、同期に遅れを取るまいと必死になって仕事をした結果、期限の3週間前に終わらせることができた。
係内の先輩たちにすごい!仕事早い!とおだてられいい気分でいられたのは束の間………


仕事が遅い先輩職員のノルマが全て回ってきたのだ。
芋子ちゃん余裕そうだから、という理由で。

そしてわたしは大先輩の仕事を押し付けられ、残業してやることになった。


そのときペアの先輩に言われたひとこと
「ここは頑張る人が損するからね、そこそこでやった方が得だよ。」

先に言えよ!!!!


まあそう言われれば全く仕事をしない職員も各係1名は必ずいて、担当を免除されていたり、仕事中3、4時間急に姿を消してもなんのお咎めもなかったり、仕事できない(やらない)人が明らかに得をしていた。
給料は年齢が高ければ、仕事ができる若手よりももらえるわけだし。

課長に至っては一日中Yahoo!ニュースを見ているだけだったし。


だからといって、わざと手を抜いて仕事をたらたらやったりできる性格ではなかったので、その後振られる仕事も極力残業しないように集中してやっていた。

そして、2年目。
同じタイミングで入った同期の2倍のリストを当たり前のように渡され、重い担当につけられ、さらには職場幹事もやれとのお達しがあった。
このとき初めて係長に軽い殺意を抱く…(笑)


笑えるくらいに他の職員との仕事量が違うのだが、給料は上がらないし、評価もきちんとされない。
一日14時間狭い役所で仕事して、だけどなんのスキルが身につくわけでもなく、自分の1/2の仕事しかないから悠々と定時に上がる同期にイライラして。

あ、もう精神的にダメかも。このままいったら課内に沢山いる休職者の仲間入りをしてしまう。
と思い、転職に踏み切ったのだ。


3年後、別の部署に異動できたらまた環境が違ってこんな思いはしないかも、と思ったが、配属ガチャに自分の人生を委ねるのはリスクが大きすぎる気がした。
それに、頑張る人が損をする、というのは役所内の共通認識のようなところがあったので、これ以上20代を無駄にしないようにしようと決意した。

以上が退職に至った一番大きな理由でした!