無目的人生

常に人生さまよっているアラサー。自由人で超ポジティブな台湾人夫がいます。

『自分の中に毒を持て』岡本太郎 

最近かなり不調です。

不調といっても特別なにか大きな問題が起こったとかではないんですが、人間関係だったり仕事だったり
とにかくものすごい停滞感を感じていて焦って焦って、逆に何も手につかない状態・・・

そこでいろいろとこの状態から抜け出すにはどうすればいいかと、新しい楽器を始めてみたり、日中の言語交換イベントにいきなり顔出してみたりしてみたんですが。
新しいことで気を紛らわすのもいいけど、昔から好きだったこと、だけど最近できていないことを再開させてみようじゃないかと思ったんですね。


それで、思い出したんです。
空き時間のほとんどすべてを読書に捧げていた中高生時代を・・・


あの頃まさに本の虫で、一週間5冊は読んでいたしお小遣いの大半は古本屋に貢いで消えていました。
単純に本が大好きだったんですね。と同時に最大のストレス発散法だったんです。



それが全くと言っていいほど読まなくなってしまってこれはいけないということで、
これから一週間に何冊と課題図書を自分で決めて、ちゃんと読み切り、
さらに、ブログという形で残すところまでをやっていこうと思います。



長くなりましたが、その第一冊目になるのが

岡本太郎著 『自分の中に毒を持て』


もうこれ、高校生の時から何度も読んでいますが、
今回約2年ぶりに読み返しました。


岡本太郎といえば、日本を代表する芸術家であると同時に、思想家、文筆家でもあります。

わたしが岡本太郎に初めて出会ったのは小学4年生のころ。学校の図工室でたまたま彼の作品をみたことがきっかけとなり、以来ずっとファンです。

つい先日も万博記念公園にて太陽の塔内部観覧に行ってきて感動し・・・それはまた写真とともに記録しようかと思いますが。



本題に戻って、『自分の中に毒を持て』
これはひとことで言って、人間・岡本太郎の人生観がすべて詰まっている!そんな作品。


「人間は自分をきつい条件のなかに追い込んだときに、初めて意思の強弱が出てくる。」
「自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それしかないんだ。」

↑こんな感じの太郎の力強い言葉の数々が綴られています。

人生論とか生き方についてのいわゆる自己啓発的な内容が主ですが、恋愛についての持論も結構書かれています。
太郎は結婚せずにその生涯を終えましたが、日本でも留学先のパリでもいろいろな女性との恋愛関係があったようです。

パリの女性は自立していてプライドが高いが日本の女性は・・・というような若干時代を感じさせる内容もあるのですが、この本の恋愛に関する章を読めば、彼がなぜ結婚という選択を選ばなかったのかわかります。



タイトル『自分の中に毒を持て』の意味は?
今の自分に満足するな。ってことですね。
太郎流にいうならば自分自身を蹴っ飛ばせってことです。

生きている中で100パーセント満足している状態になることって残念ながらないと思うのです。

そのときそのときで最善の選択をして、そのために努力して、大学に入ったり就職したりすると思います。
恋愛の相手も、そのときは最高な相手だと思って付き合う(ことが多い)はず。

でもあとあと後悔しなかったことなんてないです。
なんであのときあんな選択しちゃったんだろうって、後悔ばかりで。

自分の24年間という浅い人生経験の中でも数えきれないくらいそんな場面があって・・・
例えば、大学なんでここを選んじゃったんだろう?
なんであの人じゃなくこの人と付き合ってしまったんだろう?
なんで公務員になってしまったんだろう?

他にも小さなエピソードなら数え切れないほどあります。

そんな後悔にさいなまれたときに、開き直ることもできます。
まーしょうがないもん、この場所で生きていこう。とか、
別れるのめんどくさいしもう少し今の相手で妥協しよう。とか。


でもそこで「安全な道」を選んで動くことを諦めたら、人間的な成長はないし、自分らしい人生なんて望めない。

だから、常に「自分の中に毒を持て」。

今の自分を殺して、生まれ変わるくらいのエネルギーと

常に自分を甘えさせない、安易な生き方をさせない強さを持つ。

毒は他人に向けるのではなく、最大の敵であるダメな自分に向けていつでもギリギリな状態でいるものだ。


そういうメッセージが込められていると、わたしは受け取りました。


この本は人生行き詰ってる人に特に読んでもらいたいです。分厚い本ではないけれど、読めば必ず心に響くフレーズがあると思います。

読む人によっていろんな解釈があると思いますし、
読むタイミングによっても響くフレーズが違ったりすると思います。


ということで、この記事の最後に
今の芋子的に一番響いた言葉を引用して閉めたいと思います。


「ぼくはこういう制約の多いところでこそ自分のしたいことをするのが本当の行動になると思う。むしろ社会や周囲の全部が否定的であればあるほど行動を起こす。
ただし、言っておくが、それが中地半端だといけない。中途半端だと不明瞭になる。それをとことんまで明朗に、自分をごまかさずにやれば、案外通るものなのだ。」